つめの甘さ


三ヶ月以上交際を続けていたカップルが突然破局しました。
互いに再婚同士で女性は小学生の子どもがいて、思春期で難しくなる中学生になる前に結婚を希望していました。

男性は四〇代半ばで、母親と二人で生活していました。
男性は結婚の条件として、子どもがいてもかまわない人でした。

女性の条件は子どもを大切にしてくれる男性で、結婚後しばらくは親との別居が希望でした。
子どものいる女性を認める男性は再婚の人でもまれなので、彼女に紹介すると、すぐに交際がはじまりました。

その後も子どもを連れて遊園地へ行ったり、動物園へでかけたりして順調に進んでいました。 彼女にたまに電話して様子を聞くと、 「少し頑固なところはあるけれど、子どもをかわいがってくれるのでうまくやっていけそうです」との答えが返ってきていたのです。

ところがある日彼女から「最近連絡がこなくなりました。○○さんに連絡をとるように伝えてくれませんか」という電話がありました。
どうも結婚について話していく中で、親との同居の問題が浮上して、彼が親を一人で残すのはかわいそうだと言い始めたらしいのです。
彼女はその点については、はじめから彼に言ってあったので、話が違うと言うことになったのです。

互いの意見が食い違うようになってから、彼からの音信が途絶えたのでした。
私はすぐに彼に電話しましたが、なかなか電話に出てきませんでした。
やっとつながったので「彼女はいきなり同居するのには抵抗があるだけで、二、三年すれば同居してもいいと言っています。
二人でその問題を話し合って解決してほしい」と伝えました。 彼も「わかりました。時間をとって話しあってみます」と、言ってくれたので安心して受話器を置きました。

その後しばらく何の連絡もなかったので、二人で問題を解決できたのだと思っていました。 二週間くらいして再び彼女から電話がありました。

「あれからも何の連絡もありません。ここで交際を中止したいと思います」と、狐につままれたような電話の内容でした。
彼女に「彼の気持ちを確認するから、それまで待って欲しい」と伝えて、彼に急いで連絡しました。
彼も少しあわてていて「こちらからもう一度連絡して話し合いたい」ということでした。

その旨を彼女に伝えましたが、しばらくあって「もういいです。これで終わりにします」ときっぱり言い切りました。
私ももう彼女の気持ちは変わらないだろうと諦めました。
なぜ、彼は二週間前に彼女に電話して話し合わなかったのか、めんどうなことを避けたつめの甘さが、今回の破局の一番の理由です。

出会いのチャンスはそんなにあるものではありません。一つ一つの出会いを大切にし、真剣に向き合ってほしいものです。