彼女いない歴十年の会員さん


三十七歳の十年間年間交際経験のなかったTさんが、私どもの事務所をたずねてくれたのは、昨年五月の中旬のことでした。
彼は何人かにお見合いを申し込みましたが、ことごとく断られて続けていました。

その後、こちらでお見合いを受けてくれそうな人を探し出し、見事二人の女性とお見合いが成立しました。 そのうちの一人の方と六月中旬から交際がはじまり、十月末に彼が思い切ってプロポーズ。数日後に相談所から「正式にお受けします」との連絡がはいりました。

入会して半年、お見合いはわずか2回だけ、交際をはじめて五ヶ月と、期間だけみると順調なスピード婚約にみえます。

ところが、ここまで至るには多くの山あり谷ありでした。
相手の相談所の仲人さんと何度も何度も連絡を取って、本人の気持ちを確認して、一歩ずつ前へ進んでいったのでした。
コミュニケーション不足のほんの些細な勘違いで、二回ほどダメになりかけたこともあったのです。

・ 疑心暗鬼

交際が二ヶ月以上続いていたので、経過を聞こうとTさんに久しぶりに電話してみました。

「うまくいってますか」
「先日、家へ来てもらい両親と食事しました」
「いい感じで進んでいますね」
「はい、でも彼女がすぐに結婚は考えていないとのことで、どうしたらいいのか」
「じゃ相手の相談所の人に彼女の気持ちを聞いてみるから、少し待っていてください」

そう言って電話を切りました。なんとなく声にはりがないので、どうしたのかと思っていたら、彼女の気持ちがつかみきれず、 自分の結婚したい気持ちのもって行き場所がなくて困っているようでした。
さっそく先方の相談所に、Hさんの気持ちを確認してもらうように電話で伝えました。返って来た答えは意外なものでした。

「今年の秋とか冬とかでは早すぎるので、来春くらいなら前向きに考えています。 その間に結婚式のことや、新婚生活のこと、資金のことなどを二人で話し合っていきたいそうです」という返事でした。
つまり、TさんはHさんのすぐに結婚を考えていないという言葉で、自分への気持ちがないのだと誤解しただけなのでした。

まして、彼女は「Tさんの両親はとてもいい人なので、すぐに同居してもいいくらいです」と思っているくらいだったのです。

小さな誤解で、せっかくの縁が壊れてしまうところでした。少しだけ突っ込んだ話をすれば問題はなかったのですが、 少し口下手な二人なので、互いに遠慮してしまったのです。

・ 押さない男性

「Hさんは来年の春の結婚を考えているようですが、彼から何のプロポーズもないので困っているみたい」との電話がW相談所からありました。

「何があったのだろう」と心配になったので、すぐにTさんに電話してみました。
「Tさんあなたは彼女と結婚する気があるのですか」
「もちろん、でも、彼女の態度がはっきりしないのでどうしていいか、わからないのです」
「彼女は、来春の結婚を考えているみたいですよ。あなたがしっかりリードしないから、相手もとまどっているのだと思います。 二人で気持ちの探りあいは止めにして、ここは男性からびしっと決めてくださいよ」と背中を押してみました。

女性も今年38歳。35歳以上の女性は出産という自然の摂理があるので、交際結果は早めに出してあげないといけません。
この時期は時間がとても大切です。彼女の誕生日が十月にあるそうなので、その日に誕生プレゼントと一緒にプロポーズしてみたらとアドバイスしました。

彼は素直に聞いてくれて、サンポートにある赤灯台ところで、思いきって彼女に「結婚してください」と伝えたのでした。

彼女は、病弱な両親と家族を支えるために、18歳から20年間休まず、一所懸命に働いてきたのでした。それが原因で婚期を逃していたのです。

そんな時に、まじめで実直な男性と出会い見事ゴールインしたのでした。
お祝いの食事会で、「専業主婦になり早く子どもをつくって、家族を守っていきたい」そんな風に彼女は話してくれました。

新しい自分の家族のために、これからは精一杯生きていって欲しいと思いました。
ここに38歳のシンデレラが誕生したのです。おめでとうございます。